秦野市環境産業部環境共生課様、及び秦野市森林組合様からのご依頼により、弘法山公園において、近年拡大中のナラ枯れの状況把握のため、上空からドローンによる調査を実施しました。

弘法山公園では四季折々の美しい自然がハイカーを出迎えてくれます。
本事業は、そのハイキングコースに影響を及ぼす恐れのある、危険木の伐採等の実施計画を立て、「きれいな里山を取り戻そう」という、秦野市長の熱い思いから実現しております。

今回は、その基礎データをドローンで取得する業務となります。
従来は公園内全域を歩いて現地踏査する必要があり、膨大な時間を要しておりました。
一方、ドローンを活用することで、空撮から作成したオルソ画像等を基に、上空からナラ枯れの可能性が高い枯れ木をピンポイントで把握し、効率よく対象の樹木に辿り着くことができます。

結果として、現場作業の効率化が実現できました。

秦野市環境産業部環境共生課様、及び秦野市森林組合様より、ドローン活用について、上空から俯瞰的に森林の状況を把握することができ、また現地踏査では気付けなかった土砂崩れ等も把握でき、非常に有効な手段と高く評価いただきました。

今後も森林・林業分野において、ドローンを活用したナラ枯れ等の調査を支援いたします。

業務概要

【期間】2021年9月13日(月)~9月15日(水)

【場所】弘法山公園(神奈川県秦野市曽屋)

【目的】ナラ枯れ等の被害状況を把握し、危険木の伐採計画を策定するため。

【使用機体】産業用ドローン複数機種

【内容】
① 弘法山公園全域のオルソ画像・3Dデータ作成
② 弘法山公園内の一部エリアのマルチスペクトルデータ作成

弘法山公園とは

浅間山(せんげんやま)、権現山(ごんげんやま)、弘法山(こうぼうやま)の3つの山一帯を弘法山公園と呼び、県立自然公園にも指定され、「かながわの景勝50選」にも選出されています。

春には、園内にある1400本以上の桜が咲き誇り、桜の名所としても有名で、平成6年度には「かながわの花の名所100選」にも選出されています。
他にも夏のアジサイ、ヤマユリ、秋の紅葉など、四季折々の美しさがあり、ハイキングや散策に最適です。

ドローンを操縦する様子

展望台付近からの景色

ナラ枯れとは

カシノナガキクイムシが媒介する「ナラ菌」によって、コナラやミズナラ等のナラ類やスダジイやマテバシイ等のシイ・カシ類が集団的に枯れる被害です。

今回の調査では、ドローンで通常のカメラによる空撮、及びマルチスペクトルカメラによる撮影をおこない、撮影データを元にナラ枯れの可能性の高い樹木を調査しています。

マルチスペクトルデータ

オルソ画像

3Dデータ

オルソ画像

オルソ画像の拡大図(黄色の丸で示した箇所がナラ枯れの可能性のある樹木)

今回の調査で発見された土砂崩れ現場

今回、ナラ枯れ調査のために、弘法山公園区域でドローンを飛行させました。
その際、今までの現地踏査で確認できなかった土砂崩れ現場を発見しました。

ドローンを利用することにより、地上からの視点で発見できない危険箇所が発見でき、今後の災害防止に役立てる事が可能です。今回発見された土砂崩れとの関係性は不明ですが、枯死した危険木を伐採せず放置してしまうと、根がしっかり張り巡らされなくなるため、土砂崩れに繋がる可能性もあります。

そのため、ドローンを利用して森林調査をおこなうことは災害対策の一環としても非常に有効です。

土砂崩れ現場(拡大図)

土砂崩れ現場(拡大図)

お客様の声(秦野市環境産業部環境共生課 様)

秦野市では、平成30年度に初めてナラ枯れ被害が発見され、以降は市内全域に被害が拡大しています。
当初は、被害状況の調査のために職員が森林内を踏査していましたが、時間と労力のかかる作業のため効率が悪く、被害箇所の把握も困難でした。

しかし、ドローンを活用することで、航空写真により全体の被害状況が一目でわかり、施設周辺の危険木を抽出することで、GPSの座標をもとに目的地点に向かうことも容易です。

今後、調査結果を基にした森林整備計画を設計し、危険木の伐採等を行います。
伐採木はウッドチップ舗装などの環境整備に活用し、人の流れの確保や林内を明るくすることで鳥獣害対策も図りたいと考えています。

森林・林業分野でのドローンの活用が注目されていますので、ナラ枯れ対策の1つのモデルケースとなることを期待しています。